英国の内科医Andrew Wakefieldは1998年、はしか(麻疹=ましん)、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)、風疹(ふうしん)の三種混合ワクチン(MMRワクチン)が自閉症と関係している可能性がある、という研究や報道発表を行い、その危険性を最初に世間に広く訴えた。しかし、彼の主張に反対する申し立てが次々と出てきている。
ある申し立てによると、数人の親がMMRワクチンのために子供が被害を受けたと考えた。そしてWakefieldは、MMRと自閉症の関連の可能性を調査する訴訟扶助計画のためとして5 万5000ポンド(約1150万円)を受け取っていたという。Wakefieldが1998年2月にThe Lancet誌にそれに関する論文を発表したとき、彼は訴訟扶助計画の存在を言明していなかった。
The Lancet誌の編集長Richard Hortonは「これは、利害関係に関するThe Lancet誌の方針に反している」と話す。
犬のための救済策は多くのくしゃみ
Hortonは「訴訟扶助計画のことを知っていたら、ワクチンと自閉症との関連の示唆を削除するよう、論文の発表前にWakefieldに要請していただろう」と言う。BBCのインタビューに対してHorton は「彼の研究のその部分は、完全に信頼性を失ったと私は考えている。どうしてそうなったのかは、この利害関係を見れば分かることだ」と話した。
英国保健省のチーフメディカルオフィサー(CMO)であるLiam Donaldsonは2月23日、Wakefieldを批判する主張について、英国の全国医学協議会(GMC)による独立した調査を求めるという声明を発表した。
Wakefieldは、彼のしたことが適切でなかったという意見を否定し、ワクチンと自閉症の関連の可能性は、さらに研究する必要があると主張している。彼は、彼が行った研究についてどのような調査も受け入れるつもりだ、と話した。
接種率低下
皮膚の神経の痛み腹部
Wakefieldの最初の研究は、珍しい症状の腸疾患を持ち、自閉症でもあった子供数人が、最近、MMRワクチン接種を受けていたことを両親から報告された、というだけのものだった。Wakefield もほかの科学者も指摘していることだが、この研究は子供の症状とMMRワクチン接種の因果関係は示していなかったし、データとなった子供の数も12人だけだった。しかし、Wakefield は、両者の関連が懸念され、慎重な判断が必要だという意見を表明した。
このため、三種混合ワクチンに対する信頼は大きく揺らぎ、はしか予防のワクチン接種を受けている子供の数が減少した。はしかワクチン接種率は、1997-1998年の91 %から、2002-2003年には79%に落ちた。
うつ病と自殺とdepakチョプラ
The Sunday Times紙記者がリーダーとなってWakefieldの研究に関する調査が行われ、彼の研究には科学的に6つの落ち度があったことが分かった。この中には、Wakefield の研究が訴訟扶助計画に協力していたことをThe Lancet誌に明らかにすべきだったという、同誌も主張している問題点も含まれている。
The Lancet誌が報道発表した声明は「編集者と査読者は、論文を評価する際に、彼が訴訟扶助計画にも関わっていたことを知っているべきだった。この情報は、論文の適合性、信用性、妥当性について私たちが結論を出すための材料となっただろう」としている。
The Sunday Times紙は、Wakefieldがこの研究で、いくつかの侵襲的医学処置を子供に行うにあたってきちんとした倫理的許可を得ていなかったこと、Wakefield は子供の一部に研究に協力するよう依頼しているので子供の選び方も偏っていること、もThe Lancet誌に示した。しかし、The Lancet誌は、そのような証拠はないとしている。
科学者の大多数は、ワクチンと自閉症に関連があるという説得力のある証拠は存在しないという意見に同意している。しかし、Wakefieldは、MMRワクチンと自閉症との関連の可能性を調べ続けている。
Nicola Jones
0 件のコメント:
コメントを投稿